曲がり角の向こう

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD) 公共政策大学院の日々

途上国で生活すること

フィリピンのマニラに来てもうすぐで2週間が経とうとしている。街は高層ビルが立ち並び、軒を連ねる巨大ショッピングモールには高級ブランドも入るほど街は発展している。私が住むマンションから目の前のモールまで歩いて30秒という驚異的な便利さ。

家の近くのモール(奥にユニクロがある) 

f:id:magarikadonomukou:20180711235025j:plain 

パリにあるパンの名店PAULもある

f:id:magarikadonomukou:20180711235027j:plain

その一方で急速な街の発展に追いついていないのが交通機関で、マニラの渋滞は世界でもトップレベルではないかと思う。先週木曜日に友達の住む10Km離れた場所に行くのに、タクシーを拾うのに1時間、運転時間1時間と2時間もかかった(泣)。そんなマニラ生活。

移動には時間がかかるけれど、手を少し伸ばせば何でも手に入るマニラ生活は本当に便利だ。でも、何だか心が満たされないのは、私が今まで色んな国で見てきて心を温めてくれた、慎ましくも穏やかに生きる人の姿がここでは見えないからだろう。私がスリランカで暮らしたトリンコマレというコロンボから300km離れた街は、かつて26年間続いた内戦の戦場にもなり戦争の後も残る場所ではあったけど、夕方に街を歩けば、おじいちゃんが孫を抱いて岸辺を散歩する様子やお母さんと子どもが夕暮れを眺める姿が見れて、ほっと心が和んだものである。そして、そんな光景がいつも、仕事で疲れた私の心を癒し、そしていつまでもこの光景が続くためにも私の仕事があると思って毎日励んでいたように思う。

f:id:magarikadonomukou:20180712000023j:plain

一方のマニラは物で溢れ、人々は消費することに夢中になっているように見える。Small is beautifulとは180度違う世界がそこにあって、そしてその世界に今私はいて何だかとても落ち着かないのである。私はこちら側にいて良いんだっけ?と思う。この騒音から離れて、静かな場所で頭を整理したい、って思う。途上国でも、首都と田舎でこんなに違うんだということを今まさに感じていて、そして私の立ち位置についても改めて考えるマニラ滞在12日目の思索でした。