曲がり角の向こう

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD) 公共政策大学院の日々

車を持たない人たち

昨日公共バスとシャトルを乗り継いでサンディエゴのダウンタウンへと繰り出した。車を持たない私のような学生にとって、公共交通機関がしっかりしているのは本当にありがたい。だけど時間はやたらとかかる。昨日はUberを使えば20分のところを、公共交通機関を乗り継ぎ、徒歩で街中も歩いたりして、結局1時間半もかかってしまった。

やっと最寄り駅に着いたーっと意気揚々に駅を降りた時に、あれ?っと思った。何だか薄暗いのである。空を見上げれば、雲一つない快晴。空を背景に真っ赤なトラムが走る街角と書けば、まるで映画のワンシーンのようだ。でもそうした華やかな色を背景に、私の横を通りすぎる人たちは、沢山のビニール袋を下げた人たち、薄汚れた鞄を持って歩く人たちだった。近くにセブンイレブンがあったので、入ろうとしたら、大きなカートを押すおばさんが近づいてきたので、ドアを開けてあげたら、低い声で「Thank you」と言われた。

その後ダウンタウンから北にあるBalboa Parkへ歩く間も、同じ景色が続いた。ビニールシートを広げて道路の端で居眠りをする人、カートを押すおばさん。彼らは、おそらく皆車を持たない人たちである。Balboa Parkに着いた時、その広い公園に何台もの車が入って行く様子が対照的だった。車を持つ人達と持たない人達。

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サンディエゴはAmerica's Finest City (アメリカで最も素晴らしい街)と呼ばれ、美しい海と自然に囲まれている。人々はビーチでワイングラスを片手に人生を謳歌している。それとは全く関係のないように、晴れ渡った美しい空を背に、ただただ地面を見つめながら歩く「車を持たない人たち」がいることを知った。

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